最終的にプレゼントは、いっくんが好きなお菓子と腕時計に決めた。

腕時計にした理由は、何か残る物を渡したかったから。

お菓子だけだと残らないから。

ちょっと照れるけど、お花もあげる事にした。

店員さんに選んでもらったから、とてもオシャレだと思う。

『めーちゃん!今日はありがとう~!めーちゃんがいてホントよかった~!』

『それくらい。全然。』

駅に向かう途中にわたしはお礼を言った。

親しき中にも礼儀あり。

お礼はちゃんと言わないと。

プレゼントも用意したし、後は告白について考えるだけだ。

でも経験が全くないから、どうしていいか分からない。

困った時にはめーちゃん。

アドバイス上手だし、相談してみよう。

『本当にありがとう~!ねぇ。めーちゃん。』

いざ言おうとすると緊張するなぁ。

恥ずかしい。

だから、少しだけ勇気を出す事にした。

『友達の…友達の話なんだけどね。友達がその…。好きな人がいて。その…告白をしたいんだって。でも…。そんな経験全然ないから…どうしたらいいか分からなくて…。どうしたらいいかな?』

『…。』

めーちゃんはなぜか黙った。

どうしたんだろう?

しばらくしてから、話し始めた。

『知ってるか?友達の話なんだけどって言って恋愛の話を切り出す奴は、大体自分の事なんだ。有名な説だぞ。』

『へ?』

『その話さ。ナナミ自身の話だろ?ただの友達にあげるプレゼントごときで、花束なんか渡すか?』

『えーと…。いや…。』

『悪いけど。俺にはさっぱりだから答えられない。それに。嘘をつくような奴にアドバイスなんかできない。俺。まだ買い物するから先に帰ってな。じゃあな。』

『めーちゃん…。』

そう言ってめーちゃんは、ショッピングモールの方へ戻ってしまった。

どうして突然怒ったんだろう?

わたしが嘘をついたから?

今までどんなにわがままを言っても、あんな風に怒ることはなかったのに。

めーちゃんはマジメだから、嘘は絶対に許さないのかな?

そうとしか考えられない。

そうだよね。

恥ずかしいからって、嘘はダメだよね。