この胸が痛むのは

初恋の相手が、兄に嫁いで義姉になる。 
ふたりの姿を、側で延々と見続ける。
ノイエの話に、胸が痛んだ。
そして、気付く。

これが俺とクラリスが、アグネスに与えた痛みなんだ、と。
考えなしの俺達はまだ12だった彼女に、この痛みを与えてしまったんだ。
いくら後からこんな理由があったと言い訳しても、それは無かった事には出来ない。
俺の寂しさなんて、比べる事も出来ない。

ノイエは、アグネスへの俺の贖罪だ。


「御礼など、仰らないでいただけますか。
 私は目障りな虫を、追い払っただけです」


 ◇◇◇


昨日、アグネスの様子はどうだったかの話を先生が始めた。


「我知らず、きつい責める物言いになりました。
 あれは説得とは、程遠い……自己嫌悪に苛まれましたよ。
 結果としてアグネス嬢は決行すると、確信しました」

「……そうですか、先生に対してもそうなら、私には止められそうもありませんね」

出会った頃の素直なアグネスを頑なにしてしまったのは俺だ。
取り敢えずは、死人還りなるものの説明をもっと詳しくと、お願いした。