「私からカランに確認して貰いたいとお願いした事がございまして」

侍従のカランに? 何を頼んだ?


「わざと、ゲストのアグネス嬢ではなくて、
クラリス嬢に上席を勧める様に、です。
 もし、それを受けるようであれば謝罪して
席を変わっていただきなさい、と。
 ですが彼女はそれを辞退して、アグネス嬢に
譲られたそうですわ」

カランめ、そんな経緯があった事など聞いていないぞ。


「他のご令嬢を選べば、期待させてしまいますがあの方なら、アグネス嬢の事も含めて、こちらの手の内を明かしても大丈夫でしょう」

「いや、でも、なぁ」 

「学園でレイノルドとふたりで、クラリス嬢に事情をお話しして、ご協力を求めてくださいませ。
 ご納得していただけないようですが、あの王女殿下からアグネス嬢を護る防波堤になっていただくのです」