この胸が痛むのは

それで下手に動くより、どこかへ行くまでは大人しくしていようと思っていたのだが。
連れがいない雰囲気だから、独り言なのか!

彼女はお茶会から逃げる算段を声に出し始め……その合間には舌打ちを「チッチッ」と入れてきた。
目の前で俺に向かって、チッ!と、舌打ちをされようものなら……だが、彼女の舌打ちは小鳥がチッチッ囀ずるような感じで可愛くて、全然嫌な感じがしなかった。

帰りたいのにうまい理由が思い付かなくて、自分にイラついているのがわかる。
バージニアに取り入ろうとしていない点や、おまけに話している内容も気に入ったので。
それでつい、姿を見たくなって。


「私が助けたことにしましょうか、レディ?」

なんて、らしくもない恥ずかしい言葉をかけてしまったのだ。