そして王太子は周囲を見回し、厳かに宣言した。


「今回の事件に関し、実際には手を下さなくても、グレイシー伯爵令嬢を追い込み、多くのご令嬢を苦しめた第1王女の罪は重い。
 王族であっても、このまま注意だけでは終わらせない。
 それを国王陛下は重く受け止め、御身にも何らかの処分を下されるだろう。
 私は約束する、この国を支えてくれる皆を優先し、その期待に応えられる新しい国を作る、と」


満場の起立拍手の中、王太子が応えるように手を上げて。
ギルと俺が、その両脇に立ち。


事実上、父親である国王陛下の退位更迭を宣言した……
古いものを淘汰した瞬間だった。