私の気分は最悪でした。 
母による悪夢の土曜日の夕刻から、私は何度も母と姉に苛立ちをぶつけ続けました。
それは兄のプレストンからのアドバイスでした。


「自分が悪くないなら、引きこもるな。
 父上の前でふたりに文句を言ってやれ。
 母親がやりそうな事は何となくわかるけど……
 姉上の方は、はっきり言わないと、お前が何に怒っているのか気が付かない女だぞ」

兄がお母様の事を母上ではなく、母親と呼んだ事には驚きました。


「お兄様も何か……お母様とぶつかった事があるの?」

「あのひとは子供の為にと言いながら、自分の思い通りにしようとするからな。
 俺はお前より……」

途中で言葉を切り、それ以上は話されませんでしたが。
母と兄は色々とあったのでしょう。

母の事を、私の気持ちを、理解してくれている兄の存在が心強くて。
兄に勧められた通りに私は父に、母と姉に贈り物を盗まれた、と訴えました。