「やっぱり君もいいね、さすがあのクラリス嬢の妹だ。
 これからは、もっと仲良くしようね?」

そう仰ったマーシャル様の背中を殿下がきつく叩かれていました。


翌朝、出立される殿下の御一行を、ホテルの前でお見送りしました。
殿下の乗る馬車を国境まで守るトルラキアの騎士様が6騎増えていました。


こちらには来ないけれど道の向こう側にパエルさんが見えました。
その時に、前日に殿下から言われた言葉が浮かんできました。


『君は君の望むように、思うようにしてくれたらいいんだ』


言葉が通じると、こんな事があるのです。
バロウズの王子様とトルラキアの服飾店の跡取りと。
パエルさんが小さく手を振り、殿下とマーシャル様が大きく振り返して。
少しの時間でしたが、そこに関係は成立するのです。