話し終わると、レニーは部屋を出ていきました。
夕食前なので、彼女の仕事は多く、いつまでも
私の相手などしていられません。


レニーが部屋を出ていったので、私はライティングビューローの引き出しから文箱を取り出して、中から4通の手紙を手に取りました。
全て薄い紫色の封筒でした。

小振りの2通の封筒の中身は、初めてアシュフォード殿下からいただいたカードと、王城へ招いてくださったお食事会の招待状でした。
普通の大きさの封筒には、家に帰す為に書かれた手紙と、父から渡された、約束をした週末に会えない理由を綴られていた手紙が入っていました。

それらにもう一度目を通して、文箱の上部に大切に仕舞っていたその4通を、今度は一番下に押し込みました。



もし季節が冬で暖炉に火が入っていたなら4通とも躊躇無く、くべていたと思います。
それぐらい、もう目にしたくない物になったのです。