初めてアシュフォード殿下とお会いしたお茶会の翌日。
我がスローン侯爵家に殿下から。
可愛い小花のブーケと、箱入りのチョコレートボンボンが届けられました。


『お花なら大輪ではなく、小さなものが好みです。
2つずつしか、お母様から戴けないチョコレート。
1度でいいから、好きなだけ食べるのが夢なのです』


四阿で気の向くまま、殿下にお話ししたことを覚えてくださっていたのでしょう。
どちらにもとても可愛いリボンがかけられていて受け取った母と姉は、嬉しそうに騒いでおりました。


「まあ、なんて可愛らしいこと!」

「すごいわ、アグネス!
 あのアシュフォード殿下に、こんな気の効いた一面があるなんて!」

「贈り物の宛先はアグネスだよ、どうしてふたりが大騒ぎするのさ」

私以上に嬉しそうで興奮気味な母と姉に呆れたように言ったのは、兄のプレストンです。