ストロノーヴァ先生が
『苛めは金輪際しないと誓うなら見逃してやる』と仰られたので、ご令嬢方はバタバタとこの場
から去り……それはもちろんバージニア王女殿下も。

残っていたのは私のみでした。


「先生、ありがとうございました。
 私は初等部3年のアグネス・スローンと申します」

「えー、まだ3年生だったの?
 落ち着いてるねぇ、5年くらいかと思ったよ」

先程名乗られたお名前は聞いたこともなくて、
発音するのが難しそうだったので、ただ先生と
しか言えませんでしたが、お礼を申し上げました。


「金輪際なんて誓っても、いつまで持つかわからないけどね、君にはもう何もしないと思うよ。
 苛めなんてされる側より、する方が絶対に
圧倒的に問題があるんだから、君は堂々として
いなさい。
 苛めをする人間が大きな顔をしているのはおかしいよね?
 自分達はマークされていると、繰り返せば暴露されるかもと、あいつらが怯えていればいいんだ」