「……」
「どうしたんですか!?」
「ごめん、今は…」
ドアを閉めようとすると、
北川さんは玄関に押し入ってきた。
「もしかして、昨日仕事から
帰ってきたままの状態ですか?」
俺は頷く。
「ダメですよ!!
ちゃんと着替えて、ご飯食べて!
ちょっと、上がりますね」
北川さんは靴を脱ぎ捨てて、
俺を風呂場まで引っ張って行った。
「まずはきれいになりましょうね!
はい、ばんざーいして下さい」
北川さんは俺の上着を脱がし、
ネクタイをほどいた。
面倒くさい。何もしたくないのに。
「だらんとしないでくださいよ!」
北川さんはシャツのボタンを外して、
ベルトも外す。
好きな女の子に服を脱がされてるのに、
全然興奮しない。
相当病んでるわ、俺。
「あわわわわ」
さすがにパンツだけは、北川さんもどうにもできず、
恥ずかしそうに顔をそむけた。
ここまでしてもらったから
俺は気力をふりしぼり、
なんとかシャワーを浴びることができた。



