ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない



それから数か月が経ち、
北川さんは俺の隣の部屋を退居した。

俺は引っ越し作業を手伝う。

「これ、ギネスにのるかな?」
「何が?」
「世界一短い距離の引っ越し」
「確かに、隣の部屋に引っ越すって、
あんまないかもな」

そう、今日から同棲する。

別に引っ越す必要もないけど、
俺たちの部屋は2人で住むのには
十分の広さがあるし、
家賃も半分になるしな。

「大和ー、これ持ってー」

結花は重くもなさそうな箱を指さした。

「一年前、自立した人になるんだって、
IKEAの棚を俺に運ばせてくれなかったの誰?」
「やっぱり彼氏がハイスぺだと、
ダメだなぁ…
つい甘えてしまう…

ハイスぺ男子とは、
人をダメにする
贅沢品なのではないか…」
「うん、贅沢品だな」

ま、俺、かわいい結花のためなら、
風船でも持つけどな。

甘やかしすぎ?