「違うけど」
「え?」
俺たちは真顔で見つめ合って、
しばらく固まっていた。
「俺の誕生日、来月だけど」
「…あれ?そうでしたっけ……」
もしかして、北川さん、
あの日、俺の誕生日だと勘違いして、
ディナーとケーキを予約してくれてたのか!?
か…かわいい……
そして、めちゃくちゃ嬉しい…
誕生日間違ってるけど。
「すみません、覚え間違ってました」
「うん。間違ってたけど、
覚えててくれてありがとう」
俺は北川さんの頭を撫でた。
彼女は顔を赤くしてうつむく。
「加瀬さん…私…すごく寂しかった」
「うん」
俺も。
「加瀬さんがあの美人さんと楽しそうにしている時、
すごく悔しくて…胸が痛かったです。
悲しい時も、嬉しい時も、
困った時も、眠い時も
いつもそばに加瀬さんがいた…
私だけの加瀬さんなのにって…
私の知らないところで、
他の人と楽しそうにして欲しくない。
それで、分かったんです。
私、加瀬さんのこと、
好きなんだって」



