「………。
やっと……言った…」
「……え?」
「やっと言ってくれた……」
北川さんは、
泣き出しそうな小さな声でそう言った。
「俺、ずっと前から北川さんが好きだったのに、
好かれたいばっかりで、
肝心の俺の気持ちを伝えること、
できてなかった。
なんかもう言った気になってたというか、
北川さんも俺の気持ち知ってると思って」
「そんなの…ちゃんと言わなきゃ、
わからないですよ。
勘違いしてたら嫌じゃないですか…」
そう言って北川さんは
俺に抱き着いた。
「…え?」
予想外で驚いたけど、
俺も北川さんの背中に手をまわした。
「私も……っ…
加瀬さんが好きなんです…」
………ん?
「最初はそうじゃなかったのに、
この前気づいてしまったんです…
加瀬さんが、美人と一緒にいるのを見た時に…
あの人、取引先のドイツ人社長の娘さんですよね?」
北川さんの腕に力が入るのを感じた。



