「私しばらく実家に帰ることにします」 「……そ」 「本当は引っ越したかったんですけど、 この部屋、一年契約なのでまだ出られないんです」 「ふーん」 本当は色々言いたかった。 だって、まだ謝れてないし。 でも、こんなに避けられてるから、 今更謝られても、北川さんだって 迷惑だろうと思った。 なにより、俺の隣が嫌すぎて 引っ越そうなんて、 相当嫌がられてるってことだし、 もうこれ以上、話しかけないでいようと思った。 俺はそのまま北川さんの前を通り過ぎ、 ポケットから鍵を取り出す。