ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない



俺は一人寂しく、美味しそうにできた
アクアパッツァとクラムチャウダーを目の前にして、
手を合わせた。

ちょっと強引過ぎたかも。

北川さんがあまりにも
近い存在になってたから、
俺、彼氏気分でいたのかも。

北川さんが好きだから、
変な男につかまって欲しくない。

でも、北川さんが選んだ男を、
勝手に遠ざけようとするのは
出しゃばりすぎだ。

俺、今気づいた。
お節介だったんだ。

あの老けた男にも、
北川さんの前から消えろなんて、
言うべきじゃなかったんだ。

きっと…         

俺はナイフとフォークを置いて、
スマホを取りに行った。
    
謝ろう。

俺、彼氏気取りで北川さんから
クズな男を排除しようとした
イタい奴だった。
     
悪かったって。

LINEの通話ボタンを押す。
あんなことになった後だから緊張する。

でも、謝れば分かってくれる。
北川さんなら。

俺は、永遠に流れる発信音を聞き続けた。