ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない



ほんとに体調が悪いだけか?
なんか、いつもより冷たい気がする。

まぁ、実家にいるなら会えないし、
来週会社で声をかけることにしよう。

と思ったけど、

「北川さん、おはよう。
体調はどう?」
「あ、あぁ…おはようございます。
大丈夫です。
土曜日はすみませんでした」

月曜日、北川さんは素っ気ないし、
目を合わせることすらしてくれなかった。

「あのさ、何かあった?」
「いえ、別に…何も」

北川さんは、ちょっと迷惑そうな素振りで、
パソコンを操作し始める。

「俺、別の日であのお店予約しておくよ。
北川さんいつ空いてる?」
「……あの、加瀬さん」
「ん?」
「もう、私に構わなくて大丈夫ですよ…」
「え?」

何で?とききたかったけど、
俺宛に電話がかかってきてしまった。
     
「加瀬さん!お電話2番です!」