ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない



北川さんが予約してくれたのは、
落ち着いた雰囲気の創作料理屋だった。

しかし、彼女はそこにいなかった。

俺は腕時計を確認する。
約束の時間15分前。

遅刻したわけじゃないのに。

「北川様でしたら、2時間ほど前に
キャンセルに来られました」
「えっと……え?」

なんで?

「理由…何か言ってました?」
「特には…
ケーキのお持ち帰りを
ご提案させて頂いたのですが、
お断りされました」
「ケーキ?」
「えぇ。ケーキのご予約をされていたのですが、
そちらもキャンセルを承りました。
キャンセルの場合でもケーキの代金は
お支払頂くことになっておりましたので
お持ち帰りして頂いた方が
こちらとしてもよかったのですが」

どういうことだ?!

状況がよくわかんねぇ。



そうだ、電話してみよう。