その後、俺は北川さんの横で、
彼女が動くと香ってくる
シャンプーの匂いにドキドキしながら、
映画を鑑賞した。
北川さん、ぽやっとしてそうだけど、
全然そうじゃないんだよな。
この釣れそうで釣れない大物の魚感、
手強い感じ、見た目からは想像できない。
でも俺は、
ガードがゆるゆるの女子より
北川さんの方が好きだ。
「あーやっぱり、クリスマスといえば
この映画ですね…」
恋愛映画。
後半に必ず出てくるベッドシーン。
北川さんは両手を頬に当て、
うっとり見つめている。
「はーぁ…素敵ー…」
あぁ、もう!!
こっちは欲を何とか押さえてんのに、
何でこんな、欲をかきたてられる映像
見せられてんの?!



