でも、これから人と会う約束があるからと
断られた。

ま、約束がなくても断られただろうな。


ハイスペックを武器に
振り向かせようと決めたけど、
北川さんはかなり手強そうだ。

でも、望みはある。
北川さんは俺のこと嫌いじゃない!!

大丈夫、俺モテるんだし!
北川さんが俺のことをちゃんと知ってくれれば、
絶対上手くいく!


「加瀬さん」
「ん?」

北川さんは玄関まで見送りに来てくれた。

「ありがとうございました!」

いつものかわいい笑顔だったけど、
場所がプライベート過ぎるから
ちょっとドキドキした。

あー、やっぱり好きだな。
思いっきり抱きしめたかったけど、
さすがにそれをするのはまずいから、
家に帰って、黄色いクマの抱き枕を
北川さんの代わりに抱きしめた。


なんか虚しい。




しかし、翌日、
北川さんは、出社するやいなや、
俺をオフィスの隅に呼び出した。