昼休み、俺は給湯室で冷凍ミカンを 袋から出している北川さんに声をかけた。 「昨日のこと怒ってる? ほんと悪かった。 俺、昨日、どうかしてた。 北川さんの気持ち、考えないで あんなことしてごめん」 「……」 「お願い、何かしゃべって。 キモいとかうざいとか、さ」 北川さんはさっきから 一度も目を合わせず、 俺をよけて去ろうとした。 俺はとっさに北川さんの目の前で、 壁に腕をつき、道をふさいだ。 「行くなよ」