と、安心したのも束の間。


「名前何?」


凍りつくように冷たい瞳が、また私のことを捕らえた。

そんな質問も添えて。


「倉持 蜜…です。」


「へぇ、蜜ね。」


っ、!いきなり下の名前呼び?
思ったより馴れ馴れしいのかな。と思ったけど、

その割には刺されそうなくらい鋭くて冷たい瞳を向けてくる。



なんなの、この人。


関わりたくない。


即座に脳が私にそう命令した。
何か感じる、良くは無い何かを。



「俺の名前、聞かないの?」



どうして関わりたくない人の名前聞かなきゃいけないの。

微塵も興味が無いのに。


…なんてこと言える訳もない。



「あぁ、忘れてました。名前なんて言うの?」