どうも、噂の悪女でございます

 つまり、マーガレットがメアリーに与えた力はマーガレットの力を貸しているに過ぎないのだ。

 そして、元々聖女でない人間に大きすぎる力を与えればその力に耐えきれず、体に変調をきたすことなど容易に想像できた。
 聖女のことについて一通り学ぶ王族であれば、知っていて当たり前のことだ。

(本当にこの方、全部わたくしに押しつけて何も勉強してなさらないのね)

 呆れるのを通り越して、最早何も感じなかった。

「殿下。残念ですけど、それはできかねます」
「なんだと?」
「だって、わたくしの聖なる力はその全てをメアリー様に託してしまいました。わたくしに今、浄化の力などありません」
「そんな……」

 イアン王子が絶望したような顔をする。
 
「なんとかしろ!」
「なんとかと言われましても。これは、殿下とメアリー様が望まれたことではないですか」
「くっ……! お前、それでも人間か! メアリーが可哀想だとは思わないのか!」

 イアン王子はマーガレットを罵る。