白衣の王子たち


無責任すぎるんではないだろうか。

あの日から蓮くんは顔も見せないし、

ベランダも鍵がかかったまま。

ベランダの鍵は蓮くんがもっているので

蓮くんがいる時しかあいてない。

今日はテストを受けるために外泊の日。

外泊してもいいか決めるために、

佐倉先生が診察に来てくれた。

「ねぇ、佐倉先生?」

「ん〜?」

聴診器をあてながら返事をされる。

「蓮くん元気?」

「うん。毎日医局で会うよ。呼ぼうか?」

「いやいやいや!呼ばなくていいよ!」

すごい勢いで否定するので

佐倉先生は不思議そうにする。

「よし。

体調も大丈夫そうだし、

外泊許可出します!」

「わ〜い!久々の外だ〜」

「でも、しつこいけど無理したらダメだからね。

薬もちゃんとのんで。

あとは、、、」

「わかってるわかってる!

佐倉先生は厳しいんだから〜。」

「はなちゃんの分かってるほど

心配なものはないよ(笑)

まぁ、でも久々の学校。楽しんでおいで。」

「うん。ありがとね、先生。」

先生に見送られて、

迎えに来てくれたおかあさんの車でお家に帰る。