……心が晴れない。

ずっと、暗いまま……。


学校、休もうかな。


引き返そうと思った矢先、1人の女性が俺の前を横切った。

フワァと暖かい何かに顔を触るように風が俺の肌を掠めた。


その女性は、俺を見るなりニコリと微笑んだ。


ドックン


心臓が高なった。



「ひかりん!おっはよ」

その女性の方に1人の女子生徒がかけよる。


その人の……友達?


トックン……


うっ……


なんだ、……この感じ。

どこかで感じた感覚……。


苦しい……苦しい……


俺は、服から胸元を握り締める。


……やだ……

こんな、苦しい思い……もう、やだ。


その場から立ち去ろうとした時、誰かが俺の背中を優しく撫でた。

ゆっくり、それを見ると……あの女性だった。


「……君は……」

苦しい顔をしているのか、女性は心配した顔をする。

「大丈夫ですか?三方くん」

「え?」

「あ、ごめんなさい。名前……間違えましたか?」

「あ、いえ。君の……名前」

「私の名前は、光里。明莉光里です。その前に、保健室行きましょう」

「や、俺は……大丈夫ですから」

「ダメです!」


俺は、光里に手を引かれ学校の中へと入って行った。

その間に、いくつか質問をした。

「君……光里さん、友達は大丈夫なのか?」

「うん、!大丈夫、それよりも……三方くんが心配だから……」

「それと、何処かで会ったことがある?俺と」

「ん〜……どうだろう。何故が、三方くんって言ってた」




保健室前。

保健室につく頃にはあの苦しいのが消えていた。

「……ごめん。苦しいの、治ったみたい。ここまで、案内してくれてありがとう。
もう、大丈夫だから。光里さんは教室に行って?」

「本当に、大丈夫?」

「大丈夫」

「あ、三方くん心配だからLINE交換しよ!」

「え!」

光里は、スクバからスマホを取り出した。

「三方くん、スマホ貸して」

俺は、光里にスマホを渡した。

光里は、手際よくLINE交換?していく。

「はい!私のLINE入れといたから」

光里は俺にスマホを渡した。

「じゃ、何かあってもなくってもLINEしてね!」


光里は、教室へと歩いて行った。

俺は、その後ろを見送った。