茜「あ〜ぁ……何か一番知られちゃいけないのに知られちゃったかな……?」


茜「いや!でも別にそんなつもりじゃないんだから」


と、私は自分に言い聞かせて船岡山公園へと向かった。


そしてその日も彼と一通りのメニューをこなして家に帰った。





夕方になると理佐と由依が家に来た。


茜「どうしたの?」


と、聞くと…


理佐「聞いたよ、美波に♪」


茜「ちょっと、もぉー!どうせろくな伝わり方してないでしょ?」


由依「スポ根茜が恋に堕ちちゃったって♪」


茜「ほらもぉーあいつー!!」


理佐「え、違うの?」


茜「ちょっと一緒にトレーニングしてるだけだってば!!」


由依「二人っきりで仲良さそうにしてたって言ってたよ♪」


茜「見てもいないのによくそんな……」


理佐「好きなんじゃないの?」


茜「そう言うんじゃないって!!」


茜「そりゃテニスの面ではやっぱあたしより全然上手いから尊敬はしてるけど…」


由依「それが恋の始まりなんじゃないの〜?♪」


茜「もぉー!怒るよ!!」


理佐「茜に自覚がないんならしょうがないね」


由依「そうだね、まぁしばらくは様子見ときましょ♪」


由依「で、まぁ本題はこっちなんだけどね」


茜「何?」


由依「クロワッサン焼いたからおすそ分け♪」


茜「え、うそ!?美味しそうじゃん♪」


と、由依が袋いっぱいのクロワッサンを手渡してくれた。


茜「いい匂〜い♡」


茜「何だ、美波に聞いてからかいに来たのかと思ったよ笑」


理佐「それもあったよ♪」


茜「あるんかーぃ!!」


由依「アハハッ♪ でも樋口って誰かとつるんでたりしたとこ見たことないから名前聞いたときは意外だったなぁ〜」


茜「うん、まぁ部活でも一人黙々とやってるし……トレーニングももともと一人でやってたのをあたしが無理矢理入り込んだ感じだったけど……」


由依「やっぱ押しかけ女房じゃん!笑」


茜「もぉー!由依ー!!」


理佐「でも茜テニスの成績上がってるんでしょ?よかったじゃん♪」


茜「うん、まぁそれはね」


理佐「そうやってお互い高め合える人がいるっていいことだよ」


茜「ありがとう♪」


理佐「『守屋茜』近畿大会優勝!!とか垂れ幕下がるの楽しみにしてるね♪」


茜「そこまでいけるかな?」


由依「茜ならいけるでしょ?てか、やるでしょ?」


茜「うん、まぁ頑張ってみるよ」


理佐「その時は由依にでっかいケーキ作ってもらってお祝いしょ♪」


由依「おー、いいねぇ〜♪」


茜「言ったね!約束だかんね!♪」


と、この四人の中では隠し事は出来ないようになってるんだね。


まぁ別に隠してるわけじゃないんだけどねぇ〜……




第十六話へつづく…