「わかった。じゃあ俺も行く」
必ず着いてくるようになった。
桐野くんと話すことも増えた。
桐野くんに話しかけられることも。
私の中では大きな変化だった。
その日の放課後は雨だった。
「桐野くん、狭くないですか?大丈夫ですか?」
「うん、ごめんね運瑠」
桐野くんは傘を忘れてきてしまいました。
なので…あ、相合い傘…で一緒に帰っています。
「…」
桐野くんは大丈夫だと言ったがとてもそうは見えなかった。
桐野くんの肩が濡れていたから。
「桐野くん、肩…」
「大丈夫だよ、運瑠」
桐野くんは優しい。
あの日からずっと笑ってそばにいてくれる。
それがなぜなのか私にはわからない。
でも……最近、私は変だ。
桐野くんといると胸がドキドキして温かくなるの。
近ければ近いほど息もしずらくて、でも…たまらないくらい満たされている。
この感情は……なんて言うの?