あっという間に夏休みも終わり体育祭がやってきた。
あの一件以来から私は…桐野くんのことを命斗くんと呼ぶようになった。
それから敬語は使わなくなった。
まそして少しずつ一緒にいる時間が増えて、話すようにもなってきた。
また一歩前へ進めた気がする。
まだ命斗くんへのこの感情がなんなのかはわからない。
それにしても…。
「忘れ物ない?体調は大丈夫?」
「うん、大丈夫!」
命斗くんの過保護がすごい。
「体育祭頑張ろうな!」
ニカッと笑う命斗くんに胸がドキッとした。
ドキッ…?
「うん!」
私も笑って一緒に学校へと向かった。

「ふぅ……」
緊張するな…。
私が参加する競技は全部で二つ。
一つ目が恋人繋ぎでグランド1周する名付けて"愛の逃避行"。
二つ目がお題で紙に書かれていることをパートナーとしなければならない。
告白やキスや抱きしめるとか…。
名付けて"愛情表現は彼女から"。
まだ一つ目はできると思うけど二つ目はお題によっては私は無理かもしれない!