「あ〜。ぶーちゃん、今更きた〜。」


あたしは、結局素直に呼び出しに従った。

呼び出しを無視して、何倍も苦しいイジメを受けるより、こっちの方が賢いはずだ。


「今日はぁ、あたしたち、相談に乗ってもらおうと思ってね。」


麗華があたしを見て微笑む。

……ん?

いじめられるんじゃなかったの?

変だな…


「じゃあ、まず、あたしからね!」


彩綾が名乗り出る。


「昨日さぁ、なーんか調子が悪くてさ、バレエで上手く踊れなかったの。先生には注意されるし…サイアク。あんたでストレス発散させて?」


避ける暇なんてなかった。

彩綾の拳があたしの腹部のめり込む。


「あ…あが!!」


結局は、こうやっていじめられるんだ。


「お、おえ…」


彩綾に殴られて、吐き気がする。

あたしは、無理矢理詰め込んだ昼ごはんを吐き出した。



「何やってんの?一発殴っただけじゃん。」



彩綾があたしの頬を平手打ちした。

……しかし、その瞬間、悲鳴をあげる。



「いやぁ…!!あんたの吐いたものが、手についた…!」



彩綾は自分の手を見て水道にすっ飛んでいった。



「あはは…もう、彩綾ったら繊細すぎるよ〜。」



聖理奈があたしに近づく。



「や……」

「えっとぉ…うーんと…あたしは、とりあえず、彼氏がいない不満をぶつけるわ〜。」



聖理奈のローファーがあたしを捕らえる。

ぐらりと視界が揺れる。

眩暈がする。


「あ…う……」


何度も何度も蹴りが入る。