豪雨。

大きな雨粒が教室の窓を激しく叩く。

『オナラ少女』の件から1週間。

あたしは相変わらずいじめられ続けている。

もう、辛い。

学校に来るのがきつい。


「うっそぉ!傘が…無い!!」


奈々美が叫ぶ!


「え〜!それは災難だねぇ〜。」
「ねえ、あそこに傘がある!!奈々美、使っちゃえばぁ〜?」


彩綾が指差したのは、あたしのすぐ横。

あたしの折り畳み傘。


「え〜?でも、あんなの触ったらオナラ菌が感染るぅ〜。」


すっかりななみんが定着してしまった奈々美。

もう、あたしをいじめることにもあまり抵抗を感じていないようだった。


「そんなこと言ってたら濡れちゃうよ〜?」

「そっか。しょうがない。ぶーちゃん!その傘、ちょうだい!」


ちょうだい?

貸してじゃないの?


「え…あ…ダメ……」


あたしだって濡れるのは嫌だ。


「うっわ!こいつ、口答えするんだけど〜!」

「何やってんの?はやくよこしてよ。」


柑奈に蹴られてあたしは倒れる。

いや!いやだ!


「じゃ、これもらってくわ〜。」


奈々美が傘をかかげて手を振る。


「うぅ…奈々美……」


痛む体をさする。

もう、青あざが絶えない。

身体中にあざがたくさんあり、同じところを蹴られたりするのが本当に苦痛。

もうすぐ、イジメが始まってから2週間。


苦しい日々が続いている。