「キャハハハハ!!死ねばいいは、言い過ぎだよ〜!ななみん!」


麗華は楽しそうに、高らかに笑った。


「でもねぇ?あたしのことあんな風に言った清水さんには、お仕置きが必要だもんね…?」


麗華は不気味にニヤリと口角を上げる。


「何でもやっちゃっていいよ、ななみん。」


麗華の声に呼応するように奈々美が機械的に首を回す。


「彩綾ちゃん、アレ、持ってきた?」

「もちろん!」


奈々美は、彩綾に渡されたバケツを受け取ると、あたしと目を合わせずに言った。


「柑奈ちゃん、聖理奈ちゃん、押さえてて。」

「りょーかいっ!」

「イエッサー!」


奈々美がバケツを持った手を大きく振りかぶる。




「さようなら、愛香。」




そう呟いた奈々美の顔は、一瞬だけ、ほんの少しだけ…


———寂しそうで。



胸が抉られるような感覚がした。

「さようなら」

昔の奈々美…奈々美自身へのお別れの言葉のようだった。

その瞬間の表情に、前の、優しい奈々美の面影を感じて……




「奈々美っ!」





バッシャ—————!!!

あたしの視界は茶色く濁る。

髪の毛の先からポタポタと濁った雫が垂れる。

口に入った水が、舌の上で、ザラザラとした感触がする。