実際、よく分からなかった。
軽い気持ちだった。

麗華姫たちのグループへの憧れ、嫉妬に近い羨望はずっとあった。

またとないチャンスだった。
麗華姫たちと近ければ近いほど、スクールカーストは上がる。
みんなの、あたしへの待遇もガラリと変わるはず。

愛香や百合香とも、これから先も一緒にいるはずだった。

昔からの友情を大切にしながらも、麗華姫たちと仲良くなって……
幸せな毎日を送れるんじゃないか。

そうやって、安易に考えていた。

ずっとずっと、今まで、ずっと。
身内以外に「可愛い」なんて言われたことなんてなかった。
それなのに、麗華姫に言われた。
美人で、完璧な麗華姫に認められた。

その事実で舞い上がっていた。
嫌いだった自分が少しだけ、好きになれた。

外見を肯定してくれた麗華姫が神に見えた。


『やった〜〜!春休み、みんなで遊ぼうよ!』

『え、えぇ……!』


麗華姫があたしの手を握って言った。
細められた目が綺麗だった。


『あ、あたしなんかが…』

『ほら、自信持って!遊びに行こ!』

『………はい、是非。』


麗華姫の勢いに押されて、首を縦の振った。
正直、すごくすごく嬉しかった。