「麗華……姫?」


麗華姫は、あたしを見つめて、ニヤリと口角を上げる。



「あたしは……。あたしは、あんたを見捨てる。」



ピシッ……。

私の頭に強い痛みが走った。

え……。

麗華姫は、何を言って…?

わ、悪い冗談だよね……?



「あ……あは…あはは!そ、そんな冗談…あたしでもつ、通じないよ〜…!面白い〜」



引き攣る口の左右を目一杯上げて、麗華姫を見る。

嘘でしょ、嘘だって、言って。



「あたし、あんたと一緒にいたのは、別にあんたを気に入ったわけじゃないし。結局あんたが使えるコマだったからよ!」


「あんたは所詮あたしの娯楽の道具だったワケ。なんなら、柑奈も、聖理奈も、裕二も、彩綾も、所詮あたしの遊び道具よ。使い捨てのコマなんだよ!!」


「あたし、あんたたちの肩を持つ気なんて、そうそうないから。」


「勘違いするんじゃねぇよバカ女。」



たくさんたくさん言葉を浴びせられ、あたしは放心していた。

クラクラと目眩がし、額を手のひらで抑えた。

べっとりと濡れたファンデーションが手に付着した。

全身から冷や汗が出ていた。


棒立ちになって荒い呼吸を繰り返しているうちに、鼻がツンとした。

瞳に涙がもりあがり、ポロリと地面に落ちた。