「ね、ここからは愛香ちゃんと、柑奈ちゃん、続けて?どっちが壊したの?」



麗華姫は笑顔をあたしたちに向ける。

へ……?

ふ、ふざけないで!


———ガタッ!!!



「じょ、冗談じゃないわよ!!あ、あたしはそんなことしてないわよ…!」



あたしは、椅子から勢いよく立ち上がって叫んだ。




「あたしは、そんなことしないわ!鍵を壊す?あたしになんの得があるって言うのよ!?……愛香じゃないの?鍵を壊したの。」



あたしは、愛香を睨む。

この際、愛香を閉じ込めたことがバレても、仕方がない。

麗華姫という後ろ盾があるから。

でも、鍵の件については、あたしは濡れ衣を着るわけにはいかない。

いくら麗華姫でも、あたしが鍵を壊したことを正当化するのは、無理だろう。




「ぼ、防犯カメラ見たっていいわよ!あたしは、愛香より早く学校を出た。最後まで残っていたのは、愛香よ!」



一気にまくし立てて、あたしは息をきらせた。

さぁ、愛香、何か言ってみなさいよ。

そもそも、あたしの方が立場は上なんだから。

あんたは引っ込んでいなさいよ。




「あ……あの…。」




愛香が口を開く。

何?

言い訳しようっての?

いい度胸じゃん。

余計なこと言ったら後でしこたまいじめてやっから。