更衣室から出ると、あたしと百合香は、スマホをいじりながら1人で歩いてきた百合香と鉢合わせた。


「あ、愛香、百合香、お疲れ!」


にっこりと笑って奈々美が言う。

あたしは百合香に目配せした。


「あのさ、奈々美、ちょっと話さない…?」


奈々美の眉がピクッと動いた。


「いいよ…。」


どこか警戒しているような口調で、奈々美は言った。


「どお?白神さんたちと過ごして。」


あたしは優しく微笑んで言った。


「うん、すごく楽しいよ!」


満面の笑みで言った奈々美の言葉は、あたしの胸に刺さった。

今まで、あたしたちと過ごしてきた時間は楽しくなかった。

そんなニュアンスを感じた。

「あたしさ、麗華姫たちと行動するようになってさ、雰囲気結構変わったじゃん?」

「うん。」

「それでさ!あたし、彼氏ができたんだよね!!」

「へ…?」


百合香がキョトンとして奈々美を見つめる。

あたしも、びっくりして固まる。

奈々美に……彼氏!?



「隣のクラスの、花田裕二くん!!すっごくカッコよくて、優しいんだ!」


確かに、最近、奈々美は花田と一緒にいることが多い。

花田裕二は、派手な………
まあ、よく言えば、明るくて優しい男子。
悪くいえば、チャラいプレイボーイ………