「愛香は、弱者なの!!あたしよりも、全ての点で劣っているの!運動も、勉強も、容姿も。あたしよりも圧倒的に格下なの!!!」



お父さんの顔が険しくなる。

あたしは、必死に訴えた。



「あたしの方が強いんだから!!あたしがあの子をいじめて何が悪いのよ!?」




バンッ!!!




お父さんが強く壁を叩く。

その音にあたしは飛び上がった。

どうして怒っているのよ、お父さんもお母さんも!



「なんでなんだ!?お前をそんな子に育てた覚えは無いぞ!」




その時、お母さんがあたしにスマホを向ける。

涙を流している。




「聖理奈……。いま、そこで謝って。SNSに載せるから…。」




はっ!?



「いやっ!!いやよ!!そんなことしたら、うざったいパパラッチたちが押しかけてきて…。」

「それでいいだろう!さっき、雑誌の編集社から連絡が入った。表紙の件は、打ち切りだ。」




はぁ!?

あたしが、頑張って手に入れた名誉なのに!

一日で無駄になったの…?

ふざけないでほしい!!




「よ、よくないよっ!!弱い奴らをいじめることの、何が悪いの!?
あんたたち、狂っているわよ!!
おかしい!!どうして、どうして?どうして普通の考え方ができないの!?」

「そういうところだ!!なんでそんな考え方をするようになったんだ!?」




ソンナカンガエカタ?

何が悪いの?

あたしには理解できないよ。