「ねえ…愛香?」 「ん?なあに?」 百合香が寂しげな表情であたしの手を握る。 「奈々美が、どんどん遠くに行っちゃうね…」 「そうだね。」 確かに奈々美はどんどん麗華たちのグループに溶け込んでいっている。 「あのさ、愛香はさ……」 ずっと、あたしのそばにいてね。 この約束が、もうすぐ、破られることなんて… あたしの運命が狂い始めるなんて… この時、あたしは考えもしていなかった。