The previous night of the world revolution7~P.D.~

帝国自警団が撤退してから。

後方で待機していたルリシヤとルーチェス、そしてアリューシャが戻ってきた。

「あいつ撃ってやりたかったわ〜!ムカつく!」

アリューシャはご立腹。

「なかなか骨のありそうな女だったな」

「確かに、強そうではありましたね。それなりに」

ルリシヤとルーチェスは、割と冷静にブロテを分析。

「…嫌な人。私、あの人嫌いだわ」

自首を勧められたシュノさんは、イライラした様子で吐き捨てた。

「やれやれ…。これでおしまいにしてくれれば良いんだけどね」

アイズは溜め息をついて、ブロテが帰っていった方向を見つめていた。

…で、ルルシーはと言うと。

「…大丈夫か?ルレイア」

ルルシーの持病、心配性を発動。

ブロテと軽い喧嘩をした俺を気遣って、そう尋ねた。

「大丈夫ですよ。…ちょっと不快だっただけで」

嘘である。

ちょっとどころではなく、かなり不快だった。

ああいう生意気な女は嫌いですね。ベッドに組み伏せて、完膚なきまでに理性を奪ってやりたくなる。

「まぁ、いきなりマフィアから足を洗って…とか言い出すんだもんな。ルレイアの言う通り、余計なお世話だ」

「あいつ超ムカつく〜っ!何だとあの野郎。マフィアでなんか悪いのか!」

アリューシャがさっきから怒っているのも、先程のブロテの下らないお説教を聞いたからだ。

何も知らない癖に、簡単に「足を洗え」などと無責任なことを言うな。

全く不愉快極まりない。

「それに、彼女…何か気になることを言ってたよね」

と、アイズ。

「気になること?」

「ほら、ベルガモット王家の皇太子を人質に…とか何とか」

あぁ。

そういや、そんなこと言ってたな…。一瞬だけど…。

…。

…あれって結局、どういう意味だったんだ?

「…何のことでしょうね?」

「さぁ…。何か変な誤解をして、ルレイアを目の敵にしてたみたいだね…」

「…」

…意味が分からん。

全く意味が分からん奴らだった。

「…全く。面倒なことになりそうですよ」

10年黙っていた癖に、いきなり饒舌に喋り出したどころか、人様の悪口を叫び出すとは。

…どうやら、自分の身の程を思い知らせる必要がありそうだ。