「自首しようよ。マフィアなんかじゃなくて、別の生き方もあるはずだよ。新しい人生が始められるよう、私達も協力するから」
「な…何を言ってるの?」
「他の皆もそうだよ。もっと冷静に、自分のやってることを考えてみて」
シュノさんのみならず、ルルシーやアイズに向かって、ブロテはそう言った。
「皆、きっと大変なことがあったんだろうね。マフィアに入らなきゃならない理由が…。だけど、今なら大丈夫。帝国自警団が、皆を助ける」
「…」
「こんなことはもうやめよう。足を洗って、表の世界で…明るい世界で生きられるんだよ。諦めないで」
…言わせておけば。
勝手なことを言いやがる。
「…そういうのを、余計なお世話と言うんですよ」
俺はブロテを睨みつけて言った。
久々に、俺をこれほど不快にさせてくれてありがとう。
「事情を知りもしない余所者に、説得力の欠片もない綺麗な言葉をかけられた…くらいで」
そんな生温い、無責任な言葉で。
「自分の身の振り方を変えるほど、生半可な覚悟でマフィアをやっているはずがないでしょう」
部外者が。偉そうな口を利くな。
一度暗い世界に堕ちた者が…手を差し伸べられたからって、明るい世界に戻れるとでも?
片腹痛い。
表の世界でしか生きていないような奴に、俺達の抱える闇の何が分かると?
「…君には言ってないよ、ルレイア・ティシェリー」
「…どうも気に食わないですね、あなた…」
何だろう。
出会った当初のルーシッドを彷彿とさせる、この腹立たしい感じ。
やっぱり、アリューシャに狙撃してもらった方が良いだろうか?
「…君に何と思われようと、私達は自分の責務を果たすだけだよ」
と、ブロテは言った。
責務だと?笑わせる。
これまで、ルティス帝国は数々のピンチを迎えてきた。
その度に、力を貸すどころか、国内にさえいなかった役立たずのリーダーが。
帰ってきた途端、デカい顔をしてやりたい放題。
挙げ句、この余計なお節介。
…実に不快。
何か言ってやろうかと思ったが、その前に。
「ブロテ団長、終わりました」
家探しをしていた、ブロテの部下連中が戻ってきた。
…早いな。ちゃんと見たのか?
「そう、分かった…。それじゃあ…今日のところは、これで帰るよ」
「…そんな逃げるように帰らなくても、もう少しゆっくりしていっても良いんだよ?まだ『歓迎』し足りないね」
アイズは挑戦的にそう言ったが。
しかし、ブロテは相手にしなかった。
「用があれば、また連絡をするよ」
もう二度としてこなくて良いけど。
ブロテはくるりと踵を返し、部下を引き連れて『青薔薇連合会』本部を後にした。
『…アイ公。撃たなくて良いの?』
ブロテの去り際、アリューシャは再度アイズにそう尋ねた。
…しかし。
「撃たなくて良いよ。そのまま返して」
『ちっ…。あいつ超ムカつくわ〜!』
…アリューシャ。
実は今、俺もあなたと同意見ですよ。
「な…何を言ってるの?」
「他の皆もそうだよ。もっと冷静に、自分のやってることを考えてみて」
シュノさんのみならず、ルルシーやアイズに向かって、ブロテはそう言った。
「皆、きっと大変なことがあったんだろうね。マフィアに入らなきゃならない理由が…。だけど、今なら大丈夫。帝国自警団が、皆を助ける」
「…」
「こんなことはもうやめよう。足を洗って、表の世界で…明るい世界で生きられるんだよ。諦めないで」
…言わせておけば。
勝手なことを言いやがる。
「…そういうのを、余計なお世話と言うんですよ」
俺はブロテを睨みつけて言った。
久々に、俺をこれほど不快にさせてくれてありがとう。
「事情を知りもしない余所者に、説得力の欠片もない綺麗な言葉をかけられた…くらいで」
そんな生温い、無責任な言葉で。
「自分の身の振り方を変えるほど、生半可な覚悟でマフィアをやっているはずがないでしょう」
部外者が。偉そうな口を利くな。
一度暗い世界に堕ちた者が…手を差し伸べられたからって、明るい世界に戻れるとでも?
片腹痛い。
表の世界でしか生きていないような奴に、俺達の抱える闇の何が分かると?
「…君には言ってないよ、ルレイア・ティシェリー」
「…どうも気に食わないですね、あなた…」
何だろう。
出会った当初のルーシッドを彷彿とさせる、この腹立たしい感じ。
やっぱり、アリューシャに狙撃してもらった方が良いだろうか?
「…君に何と思われようと、私達は自分の責務を果たすだけだよ」
と、ブロテは言った。
責務だと?笑わせる。
これまで、ルティス帝国は数々のピンチを迎えてきた。
その度に、力を貸すどころか、国内にさえいなかった役立たずのリーダーが。
帰ってきた途端、デカい顔をしてやりたい放題。
挙げ句、この余計なお節介。
…実に不快。
何か言ってやろうかと思ったが、その前に。
「ブロテ団長、終わりました」
家探しをしていた、ブロテの部下連中が戻ってきた。
…早いな。ちゃんと見たのか?
「そう、分かった…。それじゃあ…今日のところは、これで帰るよ」
「…そんな逃げるように帰らなくても、もう少しゆっくりしていっても良いんだよ?まだ『歓迎』し足りないね」
アイズは挑戦的にそう言ったが。
しかし、ブロテは相手にしなかった。
「用があれば、また連絡をするよ」
もう二度としてこなくて良いけど。
ブロテはくるりと踵を返し、部下を引き連れて『青薔薇連合会』本部を後にした。
『…アイ公。撃たなくて良いの?』
ブロテの去り際、アリューシャは再度アイズにそう尋ねた。
…しかし。
「撃たなくて良いよ。そのまま返して」
『ちっ…。あいつ超ムカつくわ〜!』
…アリューシャ。
実は今、俺もあなたと同意見ですよ。


