ルルシーは俺を止めようとしたが。
アイズは、やれやれといった風に肩を下ろした。
「俺がルレイアですよ。ルレイア・ティシェリー」
隠す必要はない。
俺に会いたいって言うなら、いくらでも会ってあげますよ。
俺のハーレム会員なら大歓喜でしょうね。
「…君が…」
ブロテは、不躾に俺をジロジロと見つめた。
そんなに見られたら、恥ずかしいですね。
男前で良かった。
「俺に、何かお話でも?」
わざわざ俺をご指名ということは、何か思うところがあるんだろう?
この際だから、俺に職質してくれても良いですよ。
「…成程。確かに…一癖も二癖もありそうだね」
それは心外だ。
俺はいつだって清らかな心を持ち、誰にでも素直で、そして謙虚な常識人だというのに。
俺ほど誠実な人間は、ルティス帝国広しと言えどもなかなかいませんよ?
すると。
ブロテは唐突に、検討外れなことを言い出した。
「君が『青薔薇連合会』を実質支配していると聞いた」
「…」
…は?
これには、傍らにいたルルシーとシュノさんもびっくり。
「帝国騎士団の団長を誑かして、ベルガモット王家の皇太子を人質に取って、『青薔薇連合会』に有利なように操ってると」
「…」
「あの噂は本当だったみたいだね。君なら、どんな悪どいことでもやりそうだよ。…そんな顔をしてる」
…えぇと。
…とりあえず、俺の顔をディスるのはやめてもらいたいですね。
これでも俺の顔は、ルティス帝国各地にいるルレイア・ハーレムの会員から絶賛されているくらいなので。
優秀なハーレム会員なら、最早俺の顔を見ただけで絶頂するとか何とか。
そうだというのに、俺が悪党顔だと?
この女、目の玉入ってるか?節穴なんじゃないのか。
それに、さっき妙なことを言ってなかったか?
オルタンスを誑かしただとか、ベルガモット王家の皇太子が何だとか…。
…誰のことだ?…ルーチェス?
「…何か勘違いしてない?ルレイアは、何も…」
アイズが、ブロテの誤解を解こうと口を開いたが。
しかしブロテは、アイズの弁解など聞かなかった。
くるりと身体の向きを変え、今度はシュノさんに向かい合った。
びくっ、とするシュノさん。
「君も?君も、『青薔薇連合会』の幹部なの?」
「…そ…そうだけど。それが何なの?」
動揺しながらも、弱みを見せたら負けるとばかりに、喧嘩腰で言葉を返していた。
「…まだ若い女の子じゃない、あなた」
「…え…」
ブロテは憐れみを込めた顔で、シュノさんにそう言った。
…いや、まぁ。
確かにシュノさんは、若い女の子ですけども。
「どうしてこんなところにいるの?どうして『青薔薇連合会』なんかに入ってしまったの?」
「…それは…」
「こんなところにいちゃ駄目だよ。君みたいなうら若い女の子が。今からでも遅くない。足を洗って、表社会で生きられるはずだよ」
「…!」
警戒しまくっていた相手に、突然お節介なことを言われ。
シュノさんは、思わず動揺してしまっていた。
…余計なお世話過ぎるな。
アイズは、やれやれといった風に肩を下ろした。
「俺がルレイアですよ。ルレイア・ティシェリー」
隠す必要はない。
俺に会いたいって言うなら、いくらでも会ってあげますよ。
俺のハーレム会員なら大歓喜でしょうね。
「…君が…」
ブロテは、不躾に俺をジロジロと見つめた。
そんなに見られたら、恥ずかしいですね。
男前で良かった。
「俺に、何かお話でも?」
わざわざ俺をご指名ということは、何か思うところがあるんだろう?
この際だから、俺に職質してくれても良いですよ。
「…成程。確かに…一癖も二癖もありそうだね」
それは心外だ。
俺はいつだって清らかな心を持ち、誰にでも素直で、そして謙虚な常識人だというのに。
俺ほど誠実な人間は、ルティス帝国広しと言えどもなかなかいませんよ?
すると。
ブロテは唐突に、検討外れなことを言い出した。
「君が『青薔薇連合会』を実質支配していると聞いた」
「…」
…は?
これには、傍らにいたルルシーとシュノさんもびっくり。
「帝国騎士団の団長を誑かして、ベルガモット王家の皇太子を人質に取って、『青薔薇連合会』に有利なように操ってると」
「…」
「あの噂は本当だったみたいだね。君なら、どんな悪どいことでもやりそうだよ。…そんな顔をしてる」
…えぇと。
…とりあえず、俺の顔をディスるのはやめてもらいたいですね。
これでも俺の顔は、ルティス帝国各地にいるルレイア・ハーレムの会員から絶賛されているくらいなので。
優秀なハーレム会員なら、最早俺の顔を見ただけで絶頂するとか何とか。
そうだというのに、俺が悪党顔だと?
この女、目の玉入ってるか?節穴なんじゃないのか。
それに、さっき妙なことを言ってなかったか?
オルタンスを誑かしただとか、ベルガモット王家の皇太子が何だとか…。
…誰のことだ?…ルーチェス?
「…何か勘違いしてない?ルレイアは、何も…」
アイズが、ブロテの誤解を解こうと口を開いたが。
しかしブロテは、アイズの弁解など聞かなかった。
くるりと身体の向きを変え、今度はシュノさんに向かい合った。
びくっ、とするシュノさん。
「君も?君も、『青薔薇連合会』の幹部なの?」
「…そ…そうだけど。それが何なの?」
動揺しながらも、弱みを見せたら負けるとばかりに、喧嘩腰で言葉を返していた。
「…まだ若い女の子じゃない、あなた」
「…え…」
ブロテは憐れみを込めた顔で、シュノさんにそう言った。
…いや、まぁ。
確かにシュノさんは、若い女の子ですけども。
「どうしてこんなところにいるの?どうして『青薔薇連合会』なんかに入ってしまったの?」
「…それは…」
「こんなところにいちゃ駄目だよ。君みたいなうら若い女の子が。今からでも遅くない。足を洗って、表社会で生きられるはずだよ」
「…!」
警戒しまくっていた相手に、突然お節介なことを言われ。
シュノさんは、思わず動揺してしまっていた。
…余計なお世話過ぎるな。


