いよいよ。
帝国自警団のリーダー、ブロテ・ルリシアスが、『青薔薇連合会』本部のエントランスに足を踏み入れた。
姿を見るのは初めてだが、何のことはない、何処にでもいそうな小娘だった。
こんな小娘が、帝国自警団のリーダーとは…。
しかし、腰に差したレイピアや、その油断のない立ち居振る舞いを見たところ。
どうやら、相当の手練であることは認めざるを得ない。
ふーん。意外と骨のある奴がいるんですね。
ブロテは恐れることなく、天下の『青薔薇連合会』本部に足を踏み入れ。
その場に立ち止まって、周囲をぐるりと見渡した。
…言っておくけど、罠の類はないぞ。
今のところ、俺達は帝国自警団と事を構えるつもりはないからな。
すると。
『アイ公、撃って良い?アリューシャが脳天ぶち抜いてやるよ』
ライフルのスコープから、こちらの様子を見ているアリューシャが。
うずうずした様子で、狙撃の許可を求めてきた。
アリューシャの手にかかれば、一瞬であの世行きでしょうね。
…でも。
「いや、その必要はないよ。そのまま待機して」
アイズには、帝国自警団のリーダーを暗殺する気はないようだった。
それが賢明だと思いますよ。
まぁ、ブロテがいきなり俺達に襲いかかってくるようなことがあったら、その限りではないが。
恐らく、それはないだろう。
勝てない相手に戦を挑むほど…そこまで馬鹿じゃないはずだ。さすがにな。
『ちぇっ…。分かったよ。でもなんかあったら撃つから』
「うん、そうして」
ひとまず、アリューシャ達はその場で待機。
いつでも動けるよう、準備だけはしておくことにして。
「…ようこそ、『青薔薇連合会』へ」
首領代理として、アイズレンシアはブロテに挨拶した。
口調は穏やかだったが、アイズの目はマフィアのそれだった。
常人であれば、その目を見るだけで腰を抜かすだろうが…。
「君は?…もしかして、『青薔薇連合会』のリーダー?」
ブロテは物怖じすることなく、アイズにそう尋ねた。
意外と骨があるじゃないか。
「リーダーではないけど、まぁ、首領の代理だと思ってくれて良い」
アイズはアシュトーリアさん公認の、次期首領ですからね。
「そう、代理…。首領本人は何処に?」
「今日はここにはいないよ」
「逃げたの?別に逃げなくても、取って食ったりしないのに」
自惚れるな、馬鹿め。
取って食われるのは、お前達の方だろう。
しかし、アイズは相変わらず涼しい顔をして、さらりと流した。
「さぁ、中にどうぞ。私達は逃げも隠れもしない。好きなだけ見ていって」
「…」
アイズの潔い態度に、ブロテは少し驚いたようだった。
まさか、ここまで「歓迎」されるとは思ってなかったか?
それとも、俺達が未練がましく、立ち入り調査を拒否するとでも思ったのだろうか。
そんなみっともないことをするくらいなら、そもそも立ち入り調査を受け入れたりするものか。
アシュトーリアさんの言う通り。
見たいものがあるなら、好きなだけ見ていけば良いのだ。好きなだけな。
帝国自警団のリーダー、ブロテ・ルリシアスが、『青薔薇連合会』本部のエントランスに足を踏み入れた。
姿を見るのは初めてだが、何のことはない、何処にでもいそうな小娘だった。
こんな小娘が、帝国自警団のリーダーとは…。
しかし、腰に差したレイピアや、その油断のない立ち居振る舞いを見たところ。
どうやら、相当の手練であることは認めざるを得ない。
ふーん。意外と骨のある奴がいるんですね。
ブロテは恐れることなく、天下の『青薔薇連合会』本部に足を踏み入れ。
その場に立ち止まって、周囲をぐるりと見渡した。
…言っておくけど、罠の類はないぞ。
今のところ、俺達は帝国自警団と事を構えるつもりはないからな。
すると。
『アイ公、撃って良い?アリューシャが脳天ぶち抜いてやるよ』
ライフルのスコープから、こちらの様子を見ているアリューシャが。
うずうずした様子で、狙撃の許可を求めてきた。
アリューシャの手にかかれば、一瞬であの世行きでしょうね。
…でも。
「いや、その必要はないよ。そのまま待機して」
アイズには、帝国自警団のリーダーを暗殺する気はないようだった。
それが賢明だと思いますよ。
まぁ、ブロテがいきなり俺達に襲いかかってくるようなことがあったら、その限りではないが。
恐らく、それはないだろう。
勝てない相手に戦を挑むほど…そこまで馬鹿じゃないはずだ。さすがにな。
『ちぇっ…。分かったよ。でもなんかあったら撃つから』
「うん、そうして」
ひとまず、アリューシャ達はその場で待機。
いつでも動けるよう、準備だけはしておくことにして。
「…ようこそ、『青薔薇連合会』へ」
首領代理として、アイズレンシアはブロテに挨拶した。
口調は穏やかだったが、アイズの目はマフィアのそれだった。
常人であれば、その目を見るだけで腰を抜かすだろうが…。
「君は?…もしかして、『青薔薇連合会』のリーダー?」
ブロテは物怖じすることなく、アイズにそう尋ねた。
意外と骨があるじゃないか。
「リーダーではないけど、まぁ、首領の代理だと思ってくれて良い」
アイズはアシュトーリアさん公認の、次期首領ですからね。
「そう、代理…。首領本人は何処に?」
「今日はここにはいないよ」
「逃げたの?別に逃げなくても、取って食ったりしないのに」
自惚れるな、馬鹿め。
取って食われるのは、お前達の方だろう。
しかし、アイズは相変わらず涼しい顔をして、さらりと流した。
「さぁ、中にどうぞ。私達は逃げも隠れもしない。好きなだけ見ていって」
「…」
アイズの潔い態度に、ブロテは少し驚いたようだった。
まさか、ここまで「歓迎」されるとは思ってなかったか?
それとも、俺達が未練がましく、立ち入り調査を拒否するとでも思ったのだろうか。
そんなみっともないことをするくらいなら、そもそも立ち入り調査を受け入れたりするものか。
アシュトーリアさんの言う通り。
見たいものがあるなら、好きなだけ見ていけば良いのだ。好きなだけな。


