「勿論、私は本気だよ」
「…」
ユナは心配そうな顔をして、私を見つめていた。
更に。
「やっぱり…危ないんじゃないか？マフィアの本部を捜査するなんて…」
「何を考えてるか分からない連中だからな…。懐に入るなり、噛みつかれる危険だってある」
同じく自警団の団員である、アンブロとセルニアが言った。
…『青薔薇連合会』の本部に立ち入り調査を敢行する、と私が決めたときから。
皆似たような言葉で、こうやって私を止めようとしていた。
マフィアが危険なのは、私だって分かってる。
背中から撃たれる危険があるのも、重々承知している。
でも、リスクを恐れて何もしなかったら、帝国自警団は何一つ変わることは出来ない。
『青薔薇連合会』だって、私達が報復に怯えて行動を起こさないのを良いことに、今より更に調子に乗るかもしれない。
それは駄目だ。それだけは。
これ以上、マフィアなんかにルティス帝国を好きにさせる訳にはいかない。
だからこそ、私は腰を上げることにしたのだ。
例え『青薔薇連合会』の本部に入るなり、背中を撃たれて殺されたとしても。
私は、この選択を後悔したりしない。
その覚悟がある。
…それに。
私が気になっているのは、『青薔薇連合会』という組織だけではない。
ルティス帝国に帰国してから、幾度となく聞かされた名前。
『青薔薇連合会』の幹部、ルレイア・ティシェリー。
誰もが恐れるその男が、一体どんな人物なのか。
それを、この目で確かめたかった。
皆の話を聞いていると、『青薔薇連合会』がこれほどに脅威的な存在になっているのは。
『青薔薇連合会』そのものと言うより…そのルレイア・ティシェリーに原因があるようだったから。
『青薔薇連合会』を実質支配し、帝国騎士団の団長を拐かし、ベルガモット王家の皇太子を人質に取り。
ルティス帝国を裏社会から牛耳る、悪魔のような男。
その顔を拝まないことには、私は自分が闘おうとしている相手を確認することが出来ない。
…だけど。
「皆を巻き込むつもりはないよ、私は」
皆が怯えるのも分かる。
『青薔薇連合会』は、ただのチンピラ揃いの不良集団ではない。
ルレイア・ティシェリーがそれほどの切れ者なら、無策で直接会うのは危険だ。
だから、私は自分の決定に仲間達を巻き込むつもりはなかった。
「立ち入り調査には私が行く。同行する仲間は、志願してくれた人だけにするつもりだよ」
立ち入り調査に行くのは、私と、そして私と同じリスクを背負う覚悟がある者とだけ。
ユナやセルニア達を巻き込むつもりはなかった。
それに、ユナ達なら…私の身に万が一のことがあっても、自警団の行く末を任せられるから。
ユナ達はここで…自警団の本部で待っていて欲しい。
…そう、思ったのだけど。
「馬鹿言わないで、ブロテ」
「俺達、そんな弱虫に見えるか？」
ユナとアンブロが、続けて言った。
「…」
ユナは心配そうな顔をして、私を見つめていた。
更に。
「やっぱり…危ないんじゃないか？マフィアの本部を捜査するなんて…」
「何を考えてるか分からない連中だからな…。懐に入るなり、噛みつかれる危険だってある」
同じく自警団の団員である、アンブロとセルニアが言った。
…『青薔薇連合会』の本部に立ち入り調査を敢行する、と私が決めたときから。
皆似たような言葉で、こうやって私を止めようとしていた。
マフィアが危険なのは、私だって分かってる。
背中から撃たれる危険があるのも、重々承知している。
でも、リスクを恐れて何もしなかったら、帝国自警団は何一つ変わることは出来ない。
『青薔薇連合会』だって、私達が報復に怯えて行動を起こさないのを良いことに、今より更に調子に乗るかもしれない。
それは駄目だ。それだけは。
これ以上、マフィアなんかにルティス帝国を好きにさせる訳にはいかない。
だからこそ、私は腰を上げることにしたのだ。
例え『青薔薇連合会』の本部に入るなり、背中を撃たれて殺されたとしても。
私は、この選択を後悔したりしない。
その覚悟がある。
…それに。
私が気になっているのは、『青薔薇連合会』という組織だけではない。
ルティス帝国に帰国してから、幾度となく聞かされた名前。
『青薔薇連合会』の幹部、ルレイア・ティシェリー。
誰もが恐れるその男が、一体どんな人物なのか。
それを、この目で確かめたかった。
皆の話を聞いていると、『青薔薇連合会』がこれほどに脅威的な存在になっているのは。
『青薔薇連合会』そのものと言うより…そのルレイア・ティシェリーに原因があるようだったから。
『青薔薇連合会』を実質支配し、帝国騎士団の団長を拐かし、ベルガモット王家の皇太子を人質に取り。
ルティス帝国を裏社会から牛耳る、悪魔のような男。
その顔を拝まないことには、私は自分が闘おうとしている相手を確認することが出来ない。
…だけど。
「皆を巻き込むつもりはないよ、私は」
皆が怯えるのも分かる。
『青薔薇連合会』は、ただのチンピラ揃いの不良集団ではない。
ルレイア・ティシェリーがそれほどの切れ者なら、無策で直接会うのは危険だ。
だから、私は自分の決定に仲間達を巻き込むつもりはなかった。
「立ち入り調査には私が行く。同行する仲間は、志願してくれた人だけにするつもりだよ」
立ち入り調査に行くのは、私と、そして私と同じリスクを背負う覚悟がある者とだけ。
ユナやセルニア達を巻き込むつもりはなかった。
それに、ユナ達なら…私の身に万が一のことがあっても、自警団の行く末を任せられるから。
ユナ達はここで…自警団の本部で待っていて欲しい。
…そう、思ったのだけど。
「馬鹿言わないで、ブロテ」
「俺達、そんな弱虫に見えるか？」
ユナとアンブロが、続けて言った。
