「そうね…。正直、帝国自警団が出てくるのは予想してなかったわね」
…とのこと。
無理もない。ここ最近の帝国自警団の存在感のなさを鑑みれば。
影のうっすい帝国自警団なんざ、頭の端に上ることもなかろう。
俺でさえ、想定外だったくらいだからな。
「私としても、痛くもない腹を探られるのは好ましくないわ」
「…では、『青薔薇連合会』の出方は…」
「私達の家を家探ししたいと言うなら、好きにさせてあげれば良いわ」
アシュトーリアさんは、さすがの貫禄を見せ。
にっこりと微笑んでそう言った。
…そう言うと思いました。
「好きに、って…!アシュトーリアさん、本気ですか?」
身を乗り出すルルシー。
「えぇ、本気よ」
「それは…あまりに迂闊です。一度踏み込むことを許したら、これから先も何度も同じ要求をされるかもしれません」
うーん。それはあるかもしれませんね。
一度捜査を許したが最後、しょっちゅう踏み込まれるかも。
それどころか、自警団から監視員みたいな人間を送られて、常時監視されることになる恐れもある。
マフィアの威光も地に堕ちるな。
「無視するか、突き返すべきです。『青薔薇連合会』は何者にも屈しないという姿勢を見せつけるんです」
ルルシーの言いたいことも分かる。
それはそれで手だと思うけど、しかし今回は…。
「勿論よ、ルルシー。あなたの言う通り。『青薔薇連合会』は何者にも屈しないわ」
「だったら…」
「だから、見たいものがあるなら好きに見れば良いのよ。私達は一向に構わないわ」
「…!」
そう言われて、ルルシーはハッとした。
…その通り。さすが、アシュトーリアさんの懐の深さよ。
『青薔薇連合会』は、帝国自警団ごときが何をしようと動じない。
見たいものがあるなら見れば良い。踏み込みたいなら好きにすれば良い。
そんなことくらいで、『青薔薇連合会』は狼狽えたりしない。
お好きにどうぞ。
それが、アシュトーリアさんの考えだった。
危険な賭けではありますけど。
ルルシーの言う通り、一度踏み込まれたが最後、難癖をつけられてちょっかい出されるかもしれない。
そのリスクを踏まえた上で…自警団の好きにさせれば良い。
「むしろ、これを好機と捉えましょう。帝国自警団の団長…ブロテ・ルリシアスがどんな人物なのか、帝国自警団が何を考え、何が目的なのか…見極める良いチャンスだわ」
ピンチは最大のチャンスとは、よく言ったもの。
やられっぱなしにはならないという、強い意志を感じる。
さすが、我ら『青薔薇連合会』の首領。
器の大きさが、ローゼリア女王なんかとは大違い。
誇らしくなりますね。
「…危険な綱渡りには違いありませんが…。…アシュトーリアさんがそう仰るなら」
これにはルルシーも、渋々引き下がった。
ルルシーったら、相変わらず心配性なんだから。
アシュトーリアさんはこれだけ腹を決めているのだから、彼女の決定に従う他あるまい。
ちなみに、俺もアシュトーリアさんと同意見である。
これまで散々役立たずだった帝国自警団が、今更何だって?
団長が代わったからって、組織の体系は簡単には変わらない。
向こうが俺達の腹を探りたいというなら、こちらも同じことをさせてもらうまでだ。
精々、盛大に「歓迎」させてもらうとしよう。
…とのこと。
無理もない。ここ最近の帝国自警団の存在感のなさを鑑みれば。
影のうっすい帝国自警団なんざ、頭の端に上ることもなかろう。
俺でさえ、想定外だったくらいだからな。
「私としても、痛くもない腹を探られるのは好ましくないわ」
「…では、『青薔薇連合会』の出方は…」
「私達の家を家探ししたいと言うなら、好きにさせてあげれば良いわ」
アシュトーリアさんは、さすがの貫禄を見せ。
にっこりと微笑んでそう言った。
…そう言うと思いました。
「好きに、って…!アシュトーリアさん、本気ですか?」
身を乗り出すルルシー。
「えぇ、本気よ」
「それは…あまりに迂闊です。一度踏み込むことを許したら、これから先も何度も同じ要求をされるかもしれません」
うーん。それはあるかもしれませんね。
一度捜査を許したが最後、しょっちゅう踏み込まれるかも。
それどころか、自警団から監視員みたいな人間を送られて、常時監視されることになる恐れもある。
マフィアの威光も地に堕ちるな。
「無視するか、突き返すべきです。『青薔薇連合会』は何者にも屈しないという姿勢を見せつけるんです」
ルルシーの言いたいことも分かる。
それはそれで手だと思うけど、しかし今回は…。
「勿論よ、ルルシー。あなたの言う通り。『青薔薇連合会』は何者にも屈しないわ」
「だったら…」
「だから、見たいものがあるなら好きに見れば良いのよ。私達は一向に構わないわ」
「…!」
そう言われて、ルルシーはハッとした。
…その通り。さすが、アシュトーリアさんの懐の深さよ。
『青薔薇連合会』は、帝国自警団ごときが何をしようと動じない。
見たいものがあるなら見れば良い。踏み込みたいなら好きにすれば良い。
そんなことくらいで、『青薔薇連合会』は狼狽えたりしない。
お好きにどうぞ。
それが、アシュトーリアさんの考えだった。
危険な賭けではありますけど。
ルルシーの言う通り、一度踏み込まれたが最後、難癖をつけられてちょっかい出されるかもしれない。
そのリスクを踏まえた上で…自警団の好きにさせれば良い。
「むしろ、これを好機と捉えましょう。帝国自警団の団長…ブロテ・ルリシアスがどんな人物なのか、帝国自警団が何を考え、何が目的なのか…見極める良いチャンスだわ」
ピンチは最大のチャンスとは、よく言ったもの。
やられっぱなしにはならないという、強い意志を感じる。
さすが、我ら『青薔薇連合会』の首領。
器の大きさが、ローゼリア女王なんかとは大違い。
誇らしくなりますね。
「…危険な綱渡りには違いありませんが…。…アシュトーリアさんがそう仰るなら」
これにはルルシーも、渋々引き下がった。
ルルシーったら、相変わらず心配性なんだから。
アシュトーリアさんはこれだけ腹を決めているのだから、彼女の決定に従う他あるまい。
ちなみに、俺もアシュトーリアさんと同意見である。
これまで散々役立たずだった帝国自警団が、今更何だって?
団長が代わったからって、組織の体系は簡単には変わらない。
向こうが俺達の腹を探りたいというなら、こちらも同じことをさせてもらうまでだ。
精々、盛大に「歓迎」させてもらうとしよう。


