アイズの例え話により、アリューシャも状況を把握した。
その上で…。
「それで、具体的に帝国自警団は、『青薔薇連合会』に何をしようとしてるの?」
シュノさんが、心配そうな顔で尋ねた。
先程のアリューシャへの例え話を聞いて。シュノさんも不安になっているらしい。
無理もない。
「簡単に言うと、任意で家宅捜索を求められてるんだよ」
アイズは、『青薔薇連合会』に届けられた文書をテーブルの上に置いた。
帝国自警団から『青薔薇連合会』に届いたこの紙切れこそが、今俺達を悩ませている頭痛の種なのである。
「…家宅捜索…って、家の中を検めるってことよね?」
「そうだね。『青薔薇連合会』の場合は、家じゃないから立ち入り捜査だけど…」
まぁ、やることは大して変わらない。
踏み込んで、荒らして、調べるのだ。
不快の極みだな。
「そ、それって…。不味いんじゃないの?『青薔薇連合会』が強制捜査を受けるってこと?」
と、一瞬青ざめるシュノさんだったが。
そこまでの心配は必要ない。まだ。
「本来家宅捜索は強制捜査で、令状が必要なんだけど…。今回の立ち入り調査は、任意捜査の一環だよ」
「任意…じゃあ、断ろうと思えば断れるってこと?」
「そうだよ」
シュノさんはホッとしたように、肩を下ろした。
まだ帝国自警団は、『青薔薇連合会』が違法な行為をしたという、確かな証拠を掴んだ訳ではない。
従って、いかに権限を持つ自警団と言えども、『青薔薇連合会』に手出しをすることは出来ない。
しかし、怪しい組織、危険な組織として監視することは出来る。
それが、今回『青薔薇連合会』に突如送られてきた、先程アイズが持っていた文書。
『青薔薇連合会』に任意の立ち入り調査を求める、帝国自警団から届いた文書である。
この一枚の紙切れが、俺達から楽しい海水浴を奪ったのだ。
忌々しいことこの上ない。
「今この時点で、『青薔薇連合会』が法的な処分を受ける心配はない」
「つまり、捕まらないってことよね?」
「勿論だよ」
もし逮捕状が出されていたら、こんなに悠長なことをしている暇はなかっただろう。
そして、『青薔薇連合会』を捕まえるのは楽ではない。
確かに俺達は非合法組織として、あらゆる人様に言えない方法で稼いでいるものの…。
その不正の証拠は、一切残していない。
当たり前だろう?誰が、みすみす踏まれて困る尻尾を残すものか。
どんなに徹底的に洗っても、『青薔薇連合会』に強制捜査を仕掛けるような証拠は出てこない。
しかし、確かな証拠がなくても…監視をすることなら出来る。
今回の立ち入り調査もその一環。
「悪いことしてないだろうな?」と、帝国自警団の連中が『青薔薇連合会』本部を偵察に来るのだ。
これは任意の捜査だから、アイズの言う通り、拒否することが出来る。
俺達だって、腹を探られて嬉しいはずがない。
俺の腹はこんなに真っ白で清らかなのに、何を探ることがあるというのか。
「…どうするんですか?アシュトーリアさん。この立ち入り調査」
と、ルーチェスがアシュトーリアさんに尋ねた。
これまで、ずっと沈黙を守っていたアシュトーリアさんだが。
帝国自警団直々の「果たし状」を前にして、彼女がどのような決断を下すのか…。
何となく予想は出来ているが、アシュトーリアさん自身の口から聞きたかった。
その上で…。
「それで、具体的に帝国自警団は、『青薔薇連合会』に何をしようとしてるの?」
シュノさんが、心配そうな顔で尋ねた。
先程のアリューシャへの例え話を聞いて。シュノさんも不安になっているらしい。
無理もない。
「簡単に言うと、任意で家宅捜索を求められてるんだよ」
アイズは、『青薔薇連合会』に届けられた文書をテーブルの上に置いた。
帝国自警団から『青薔薇連合会』に届いたこの紙切れこそが、今俺達を悩ませている頭痛の種なのである。
「…家宅捜索…って、家の中を検めるってことよね?」
「そうだね。『青薔薇連合会』の場合は、家じゃないから立ち入り捜査だけど…」
まぁ、やることは大して変わらない。
踏み込んで、荒らして、調べるのだ。
不快の極みだな。
「そ、それって…。不味いんじゃないの?『青薔薇連合会』が強制捜査を受けるってこと?」
と、一瞬青ざめるシュノさんだったが。
そこまでの心配は必要ない。まだ。
「本来家宅捜索は強制捜査で、令状が必要なんだけど…。今回の立ち入り調査は、任意捜査の一環だよ」
「任意…じゃあ、断ろうと思えば断れるってこと?」
「そうだよ」
シュノさんはホッとしたように、肩を下ろした。
まだ帝国自警団は、『青薔薇連合会』が違法な行為をしたという、確かな証拠を掴んだ訳ではない。
従って、いかに権限を持つ自警団と言えども、『青薔薇連合会』に手出しをすることは出来ない。
しかし、怪しい組織、危険な組織として監視することは出来る。
それが、今回『青薔薇連合会』に突如送られてきた、先程アイズが持っていた文書。
『青薔薇連合会』に任意の立ち入り調査を求める、帝国自警団から届いた文書である。
この一枚の紙切れが、俺達から楽しい海水浴を奪ったのだ。
忌々しいことこの上ない。
「今この時点で、『青薔薇連合会』が法的な処分を受ける心配はない」
「つまり、捕まらないってことよね?」
「勿論だよ」
もし逮捕状が出されていたら、こんなに悠長なことをしている暇はなかっただろう。
そして、『青薔薇連合会』を捕まえるのは楽ではない。
確かに俺達は非合法組織として、あらゆる人様に言えない方法で稼いでいるものの…。
その不正の証拠は、一切残していない。
当たり前だろう?誰が、みすみす踏まれて困る尻尾を残すものか。
どんなに徹底的に洗っても、『青薔薇連合会』に強制捜査を仕掛けるような証拠は出てこない。
しかし、確かな証拠がなくても…監視をすることなら出来る。
今回の立ち入り調査もその一環。
「悪いことしてないだろうな?」と、帝国自警団の連中が『青薔薇連合会』本部を偵察に来るのだ。
これは任意の捜査だから、アイズの言う通り、拒否することが出来る。
俺達だって、腹を探られて嬉しいはずがない。
俺の腹はこんなに真っ白で清らかなのに、何を探ることがあるというのか。
「…どうするんですか?アシュトーリアさん。この立ち入り調査」
と、ルーチェスがアシュトーリアさんに尋ねた。
これまで、ずっと沈黙を守っていたアシュトーリアさんだが。
帝国自警団直々の「果たし状」を前にして、彼女がどのような決断を下すのか…。
何となく予想は出来ているが、アシュトーリアさん自身の口から聞きたかった。


