The previous night of the world revolution7~P.D.~

「でもね、アリューシャ。そこに、帝国騎士団ケーキショップのチェーン店、帝国自警団ケーキショップが文句をつけに来た」

「お?何だと?」

これまで平和に、特権を使って美味しいケーキを食べていたのに。

そこに水を差す者が現れた、ってことだな。

「私達だけ焼き立てのケーキを売るのは不公平だし、特注のケーキを作るのもズルいから駄目だって言ってきたんだ」

「何だとこの野郎!アリューシャのケーキが!」

「そう。アリューシャのケーキは没収されて、今後帝国騎士団ケーキショップに来ちゃ駄目、って。店の前に『アリューシャお断り』の札を貼られたんだよ」

「ぬぉぉぉぉ!許さん!」

アリューシャお断り…はちょっと言い過ぎかもしれないが。

いや、まぁ間違ってはいないな。

帝国自警団にしてみれば、『青薔薇連合会』は薄汚い非合法組織でしかないのだから。

そもそも、帝国騎士団ケーキショップを利用することすら、許されなくなるだろう。

アリューシャ大ピンチ。

「同じチェーン店の意向だから、帝国騎士団ケーキショップも容易に逆らうことは出来ない。仕方なく、帝国自警団ケーキショップの言いなりになって、アリューシャにケーキを売ってくれなくなっちゃった」

「なんてこった!アリューシャのケーキが!」

「そうだよ。アリューシャはもうケーキを食べられなくなるんだ。今の状況はそんな感じだね」

「ぬぁぁぁぁ!」

ケーキを食べられないと聞いて、悶絶しまくるアリューシャだった。

まぁこれは例え話であって、本当にケーキが食べられなくなる訳じゃないですから。

って、アリューシャには聞こえてないと思うけど。

「許さん!絶対許さん!アリューシャからケーキを奪って…タダで済むと思ってんのかあいつらは!?」

思ってるんでしょうね。

だって帝国自警団は、アリューシャが『青薔薇連合会』の超絶スナイパーであることも知らないし。

そもそも、『青薔薇連合会』にアリューシャがいるということすら、知らないのでは?

「幸い、まだ『アリューシャお断り』の札は出されてない。でも…このまま放置すれば、いずれそうなるだろうね」

今はさしずめ、チェーン店帝国自警団が、帝国騎士団ケーキショップのアリューシャ贔屓を見つけ。

「おい、一人の客だけを贔屓するとはどういうことだ」と詰め寄ってるところか。

このまま事態を放置すれば、いずれ『アリューシャお断り』の札が出されるのは目に見えている。

そうなる前に、俺達も行動を起こさなくては。