「まぁ、そんなことをする気力もなかったんで、結局『青薔薇連合会』に入っていたでしょうけど」
それに、帝国自警団にはルルシーがいない。
俺は、ルルシーのいるところにいたかったんですよ。
ルルシーのいるところが、俺の居場所だから。
「そういう意味では、帝国自警団が落ちぶれていたことに感謝しないと…」
「…ルレイア。もう良い」
これ以上、あの当時のことを思い出したくないだろうと。
ルルシーはそう言って、俺を制した。
相変わらず心配性なんだから。
でも、これは俺だけの話じゃない。
二人は何も言わないが、ルリシヤやルーチェスにも同じことが言えるだろう。
特にルリシヤは…兄の策略によって帝国騎士団に入れなかった代わりに、帝国自警団に入団していてもおかしくなかった。
ルーチェスだって、その可能性はあった。
しかし、帝国自警団がいつになく落ちぶれ、影の薄い存在だったからこそ。
二人共、その選択肢を考えることはなかった。
そして今、こうして…『青薔薇連合会』本部の会議室で、互いに顔を合わせている。
その選択が正しかったのか、それとも間違っていたのかは分からない。
考えても仕方がない。
選んだ運命を、やり直すことは出来ないのだから。
詮無い話をしてしまった。
「…ともあれ」
と、アイズが仕切り直しとばかりに、話を戻した。
「帝国自警団の台頭は、私達にとって不都合だ」
…そうですね。
「帝国騎士団にはこれまで散々貸しを作ってあるから…何かあっても、いくらでも黙らせることが出来るけど…」
「帝国自警団には、何の貸し借りもないからな。向こうはやりたい放題だろう」
アイズとルリシヤが言った。
うーん…。そう考えると、思わず頭が痛くなる。
「何?なんか問題なのか?」
と、首を傾げるアリューシャ。
「問題だよ、アリューシャ。帝国騎士団なら見逃してくれていたことも、帝国自警団相手なら全部咎められるからね」
「…??」
なおも首を傾げ続けるアリューシャに。
アイズは、いつもの例え話をして説明した。
「そうだな…。例えば、帝国騎士団っていうケーキ屋があったとしよう」
「マジ!?あいつらケーキ屋やってんの?」
例え話ですよ、例え話。
帝国騎士団のケーキ屋…。
考えただけで不味そうだから、俺は遠慮しておく。
「そのケーキ屋では、私達は超お得意様のVIP待遇なんだよ。ケーキはいつも焼き立てを買えるし、何ならアリューシャの為に特別なケーキを作ってくれるんだ」
「うぉぉ!それはすげぇ!じゃあアリューシャが、チョコカステラチーズシュークリームスペシャルパフェショートケーキとか作って!って言ったら、作ってくれんの?」
「勿論作ってくれるよ」
「すげぇぇぇぇ!!」
…それは本当に凄いですね。
あまり美味しそうには聞こえなかったけど、とにかくアリューシャの夢がたくさん詰まっているのはよく分かった。
そんなアリューシャを、ルルシーは白い目で見ていた。まぁまぁ。
それに、帝国自警団にはルルシーがいない。
俺は、ルルシーのいるところにいたかったんですよ。
ルルシーのいるところが、俺の居場所だから。
「そういう意味では、帝国自警団が落ちぶれていたことに感謝しないと…」
「…ルレイア。もう良い」
これ以上、あの当時のことを思い出したくないだろうと。
ルルシーはそう言って、俺を制した。
相変わらず心配性なんだから。
でも、これは俺だけの話じゃない。
二人は何も言わないが、ルリシヤやルーチェスにも同じことが言えるだろう。
特にルリシヤは…兄の策略によって帝国騎士団に入れなかった代わりに、帝国自警団に入団していてもおかしくなかった。
ルーチェスだって、その可能性はあった。
しかし、帝国自警団がいつになく落ちぶれ、影の薄い存在だったからこそ。
二人共、その選択肢を考えることはなかった。
そして今、こうして…『青薔薇連合会』本部の会議室で、互いに顔を合わせている。
その選択が正しかったのか、それとも間違っていたのかは分からない。
考えても仕方がない。
選んだ運命を、やり直すことは出来ないのだから。
詮無い話をしてしまった。
「…ともあれ」
と、アイズが仕切り直しとばかりに、話を戻した。
「帝国自警団の台頭は、私達にとって不都合だ」
…そうですね。
「帝国騎士団にはこれまで散々貸しを作ってあるから…何かあっても、いくらでも黙らせることが出来るけど…」
「帝国自警団には、何の貸し借りもないからな。向こうはやりたい放題だろう」
アイズとルリシヤが言った。
うーん…。そう考えると、思わず頭が痛くなる。
「何?なんか問題なのか?」
と、首を傾げるアリューシャ。
「問題だよ、アリューシャ。帝国騎士団なら見逃してくれていたことも、帝国自警団相手なら全部咎められるからね」
「…??」
なおも首を傾げ続けるアリューシャに。
アイズは、いつもの例え話をして説明した。
「そうだな…。例えば、帝国騎士団っていうケーキ屋があったとしよう」
「マジ!?あいつらケーキ屋やってんの?」
例え話ですよ、例え話。
帝国騎士団のケーキ屋…。
考えただけで不味そうだから、俺は遠慮しておく。
「そのケーキ屋では、私達は超お得意様のVIP待遇なんだよ。ケーキはいつも焼き立てを買えるし、何ならアリューシャの為に特別なケーキを作ってくれるんだ」
「うぉぉ!それはすげぇ!じゃあアリューシャが、チョコカステラチーズシュークリームスペシャルパフェショートケーキとか作って!って言ったら、作ってくれんの?」
「勿論作ってくれるよ」
「すげぇぇぇぇ!!」
…それは本当に凄いですね。
あまり美味しそうには聞こえなかったけど、とにかくアリューシャの夢がたくさん詰まっているのはよく分かった。
そんなアリューシャを、ルルシーは白い目で見ていた。まぁまぁ。


