「アイ公、アイ公。ポテチ取ってーポテチ」

「はいはい、これだね。はい、アリューシャ」

「あんがとよ!」

「…そのくらい、自分でやらせろよ」

アリューシャにポテチのお皿を取ってあげるアイズを見て、ルルシーが眉をひそめた。

「何をぅ!ルル公め、さてはおめー、このポテチがどんなに特別なものか分かってねぇな?これはプリン味のポテチだぞ!?」

プリン味は珍しいですね。

どんな味がするのか、俺も是非試させてもらいたいものです。

しかし、ルルシーは。

「知るか、そんなもん」

一刀両断。

もうちょっと相手してあげましょうよ。

「それより、気を抜き過ぎるんじゃないぞ。まだ問題は全部片付いた訳じゃないんだから」

おっと。ルルシーったら、お祝いの席で無粋じゃないですか。

そういう面倒なことは忘れて、今ばかりは心置き無く楽しもうじゃありませんか。

「でも…本当に、これからどうするの?」

と、シュノさんが尋ねた。

「あのレーザー兵器…てっきりセルテリシアが指示して造らせたものだと思ってたのに」

あるいは、セルテリシアではなく側近二人の指示だと思ってましたね。

だが、残念ながらその宛は外れてしまった。

それどころか…セルテリシアは『M.T.S社』が何をしたのか、把握すらしていなかった。

拍子抜けですよねぇ。

「セルテリシアが調べてくれてるからね。しばらくはその報告待ちかな」

と、アイズ。

まぁそうなりますよね。

『M.T.S社』はサナリ派の組織なのだから、ヴァルレンシー派の俺達が下手に探りを入れるより、セルテリシアに任せた方が良いだろう。

「つまり、俺達は目下、やるべきことが何もないということだな?」

ルリシヤが尋ねた。

良いこと聞きますね、ルリシヤ。

「そうなるね」

「ふむ。それではここいらで、パーッと遊びたいものだな」

分かるー。超分かる。

「遊びたいって…今遊んでんじゃん」

突っ込みを入れるルルシー。

いや、今のこれは違いますよ。これはあくまでお疲れ様パーティーであって。

「そういえば僕達、海水浴中に邪魔されたんでしたよね」

ルーチェスが言った。

そうですよ。もう遥か遠い昔のことのように思えますね。

楽しく海水浴を楽しんでいたところを邪魔されたんですよ。

思い出すとムカついてきたな。

ルルシーの背中にオイルを塗る、すなわちルルシーのナマ肌に触りまくるチャンスだったのに。

このチャンスを潰してくれた罪は重いぞ。