The previous night of the world revolution7~P.D.~

せめて、ルレイア達が元気にしているところを見られたら良いんだけどね。

まさか『ブルーローズ・ユニオン』に、「ルレイア達は元気ですか」なんて尋ねる訳にはいかないし。

すると。

「大丈夫だ、心配要らないぞ。シュノ先輩、アリューシャ先輩」

ルリシヤが、ぐっ、と親指を立てて自信満々に言った。
 
その自信は何処から。

「ルレイア先輩は無事だ。元気そうにしてるぞ」

「…え…?何で分かるの?」

「そーだよ。ルリ公は死んだことになってっから、部屋に引きこもってるじゃん」

きょとんと首を傾げるシュノとアリューシャ。

するとルリシヤは、手元に置いていた黒いノートパソコンのキーボードを、カタカタと叩いた。

ここ最近、そうやってパソコンと向き合っていることが多かったけど…。

あれはもしかして…。

「ほら、ルレイア先輩の姿が見えるだろう?」

「うわっ!本当だ。ルレ公じゃん!」

ノートパソコンの画面を見て、アリューシャが目を見張り。

「見せて!」

シュノもまた、画面に齧り付いた。

私も後ろから見てみると、パソコンの画面にルレイアの姿が映っていた。

あぁ、やっぱりそうだったんだ。

「これは一昨日の動画だ」

ルリシヤは、画面の端に小さく映った日付を指差した。

そこには確かに、一昨日の午後1時くらいの時刻が映っていた。

つまりこの時刻の時点で、ルレイアは囚われることなく、こうして元気に行動してるんだね。

良かった。大丈夫だろうとは思ってたけど。

「ルレイア…!良かった…!」

「ルレ公!おーい!ルレ公返事しろ!」

シュノは涙ぐまんばかりに破顔し、アリューシャは画面に向かって声をかけていた。

声をかけたい気持ちは分かるんだけど…。

「このパソコンに声をかけても駄目だぞ、アリューシャ先輩」

「何でっ?ルレ公いるじゃん!」

「これはただの、監視カメラの映像だから。こちらから見ることは出来ても、会話は不可能だ」

「何だと?むがーっ!」

そう。これはあくまで映像。

ビデオ通話じゃないから、会話をすることは出来ない。

しかも、この映像って…。

「この背景を見るに…ここはルレイアのお店の『ブラック・カフェ』かな?」

「その通りだ、アイズ先輩。さすがだな」

いや、まぁ招待されたことがあるからね。

見覚えがあるなぁと思っただけだよ。

「ご明察。これはルレイア先輩の『ブラック・カフェ』の店内に設置された監視カメラの映像だ」

だから、ルレイアが映ってるんだね。

「…?何でルレイアのお店の監視カメラ映像が、ルリシヤのパソコンで見れるの?」

当然の疑問を口にするシュノ。

それは恐らく…。

「あぁ。ハッキングした」

やっぱりそうだったんだ。

とんでもないことをサラッと言ってしまえる辺り、さすがだと思うよ。

「えっ…!な、何で?」

「何でと言われても…暇だったからな」

暇だったから、という理由で、ハッキングで監視カメラ映像を盗み見るとは。

ルルシーが言ってたな。ルリシヤを暇にさせてはいけないと。

何をしでかすか分からないから、と。

あれはこういうことだったのかもしれない。後の祭りだけど。