The previous night of the world revolution7~P.D.~

――――――…時は少し遡る。




きっかけは、寂しそうなシュノの一言だった。

「…ルレイア、元気かな…」

…。

アシュトーリアさんが『青薔薇連合会』に戻ってきて、ホッと一息ついてほとぼりが冷めた頃。

まだ戻ってきていない仲間のことが、気になってきたところだった。

恐らく、この場にいる全員が思っていることだ。

シュノの一言は、そんな私達の心情を簡潔に表すものだった。

「…シュノ、それは…」

「…あっ…」

私が声をかけると、シュノは自分の失言に気づいたようだった。

「ご、ごめんなさい…」

この場にいない三名の幹部の消息については、極力触れないようにすること。

これがここ最近の、私達の暗黙の了解になっていた。

…連絡も取れないからね。まさかこちらから、声をかける訳にはいかないし。

多分ルレイア達も同じことを考えてると思う。

連絡は一切取れない状態だけど、私はそんなに心配していない。

ルレイア達は裏切っていない。『ブルーローズ・ユニオン』にいても、彼らは私達の味方だ。

それさえ分かっているなら、何も心配する必要はない。

それにルレイアなら、どんな状況に置かれても上手くやるだろうしね。

ルレイアのみならず、ルーチェスもついてる訳だし。

周りが敵だらけでも、彼らなら問題ない。

その点では安心している…のだが。

それでも、ルレイア達が『青薔薇連合会』にいない。この状況そのものがしんどいよね。

特にシュノにとっては。シュノはルレイアが大好きだから。

私だって、ルレイア達がいないのは寂しいよ。

そして、彼らがいなくて寂しがっているのは、シュノと私だけではない。

「今頃何してんのかな、ルル公達…。ちゃんと飯食ってるかな?」

アリューシャもまた、浮かない顔でそう呟いた。

飯…は食ってるんじゃないかな。囚われている訳じゃないだろうし。

「ポテチ食べられなくて、落ち込んでねぇかな?」  

「そうだね…。大丈夫だと良いね」

多分ルレイアは、ポテチが食べられないことで落ち込んではいないと思うけど。

いつも通りの日常から程遠い毎日で、気を滅入らせていないか心配だよ。

「この間もさぁ、ルレ公達、頭おかしい奴らの集団のとこにスパイしに行っててただろ?」

頭おかしい奴らの集団…。

それは『ルティス帝国を考える会』とか、『帝国の光』のことかな?

あながち間違ってはいない。

あのときも、ルレイアは敵組織に潜入してたよね。

ただ、あのときとは人選が違う。

今回は、前回潜入任務には参加しなかったルルシーも、ルレイアと一緒に潜入してるし。

あのときは箱庭帝国に亡命してたルーチェスも、ルレイアと一緒だ。

おまけに、あのときと違って私達は、いかなる手段を持ってしてもルレイア達と連絡を取ることが出来ない。

同じ『青薔薇連合会』という組織の中にいるのに、まるでルティス帝国とシェルドニア王国くらい離れているような気がするよ。