The previous night of the world revolution7~P.D.~

今回の暗殺計画について、俺はアイズ達に事前に連絡することが出来なかった。

俺達は『ブルーローズ・ユニオン』に寝返ったことになっているのだから、そりゃ連絡が取れるはずがない。

つまり、俺アポ無しで帰ってきちゃったんですよ。

準備も何もしてないのに、いきなり帰ってこられたら、アイズ達も困るだろうと思って。

だからこうして、敢えてトラップを踏むことによって、アイズ達に伝えているのだ。

俺達が『青薔薇連合会』に戻ってきたと。

聡いアイズのことだ。

俺達がセルテリシア本人と、そしてセルテリシアの側近を引き連れて、わざわざこんな地下通路を使ってやって来たと知れば。

来訪の目的が暗殺であると察知し、俺達が本部に辿り着くまでの僅かな時間で、それなりの対応をしてくれるはず。

そう期待して、敢えてこのような分かりやすい道を使った。

今頃アイズは、俺達がやって来たことを察知して、対応に負われているところだろう。

負担をかけて申し訳ないが、俺も出来るだけ時間稼ぎしながら帰るので、そちらも頑張って欲しい。

あとは、俺がミミニア達を『青薔薇連合会』に「誘導」しようとしていることを、ミミニアに気取られないように演技するだけだ。

俺とルーチェスは、演技が得意だから大丈夫だけど。

ルルシーは正直な良い子だから、嘘を付くのしんどいだろうな。

あ、いや俺も正直な良い子なんで、嘘をつくのは心苦しいんですけどね。

「心配しなくても、ちゃんと『青薔薇連合会』本部に辿り着きますよ」

「…」

「いい加減、あなたは少しくらい俺のことを信用するべきですね。俺はこうして、古巣の情報まで売ったんだから」

俺は呆れたようにそう言った。

しかしミミニアは、胡散臭そうに俺を睨むばかりだった。

あなたのその警戒心、正しいですよ。

「…お前、私達を騙してみろ。ただでは済まさないからな」

おー、怖い怖い。

現在進行系で騙しまくってるんで、たたじゃ済まされないそうですね。

どうするつもりだ?拷問か?やりたいならやってみせろよ。

「はいはい、分かりましたよ」

うんざりしたように頷きながら、内心では薄ら笑いを浮かべていた。

あなたの警戒心は正しい。

だが、俺にくっついて、この場に来ている時点で…俺のことを信用し過ぎだ。 

本当に俺が信用出来ないなら、そもそも俺と一緒に来るべきではなかった。

しかし、全ては後の祭り。

「さぁ、もうすぐですよ。気配を消して、息を殺して」

「…」

俺達の目の前に、『青薔薇連合会』本部の地下に繋がる、錆びた鉄の扉が姿を現した。